保護犬

保護犬ルークとの出会いから引き取りまで

初日保護犬

保護犬との突然の出会い

ルークとの出会いは東京にある保護犬団体でした。

もともと、先代チワワのはなを11歳で心臓病で亡くした時に、もう2度とペットは飼わないと心に決めて、ペットロス生活3年が過ぎようとしていたころ。主人が次のワンコと過ごしたくなっていて、いろいろ保護犬センターを調べていました。そして、一度でいいから保護犬センターに行ってみようと、なかば無理やり連れていかれた感じでした。

私は先代のワンコを亡くしたロスが続いていて、まったく新しい子に目を向ける気はなかったです。先代のワンコは、心臓に雑音があると言われていたのですが、最後、心臓弁膜症になり、車1台分くらいの費用をかけて大々的な心臓の手術をして、結果、術後のケアがうまくいかずに天国に行ってしまい…。そのことが辛くて辛くて、もう飼えないな~と思っていたので、「行ってみるだけだからね」と主人に念を押して向かいました。

向かったのは東京都八王子にある保護犬団体のアニフェアさん。
高尾さんの入り口を過ぎて車で10分くらい過ぎたところにあります。
コロナ過でもあり、予約必須です。

担当のスタッフの方が一人付いてくれて、施設の説明を受けます。
その後、自由に見てくださいね~と、施設の中に案内されました。

アニフェア公式HPより引用

そこにはたくさんのワンコたちが一匹一匹ゲージの中にいて、朝一で伺ったので、スタッフやボランティアの方々が、うんうんを掃除していました。この施設には常時50匹のワンコがいるそうです。中に入ると一斉にワンワンワンワン!と大合唱が始まります。

順番にすべてのワンコに挨拶をしていって、ほとんどがチワワやトイプードル、ダックスなどの小型犬。ゲージにはそれぞれのワンコのプレートがあって、名前、年齢、性格、持っている病気が書かれています。1歳や2歳などの小犬はとても稀だし、すぐに引き取りもあるので、5歳や6歳くらいの子が多く、そして何かしら病気を持っていると子が多かったです。ほとんどがブリーダーさんから引き取った子で、何度も子どもを産んで、必要がなくなるとこういった保護犬団体に渡すとのこと。あまり運動をさせてもらえないので、太っている子が多かったです。

その中にいたのがトイプードルのルーク。
ルークは保護犬では珍しいケースで、一般家庭から育児放棄をされました。3歳という年齢も保護犬では若い方です。引き取られた時は毛はうんうんまみれだったそうで、体はやせ細っていて、今から考えると目もうつろな感じでした。

初日保護犬
初日ルーク

もともとチワワを飼っていたので、50匹いる中でもチワワしか目に入ってなかったのですが、ルークは珍しいグレーの色をしたトイプーだったので、目に留まりました。挨拶をするとゆっくりとですが、近づいてきて、遠慮がちにペロッと手を舐めてくれましたのを覚えています。
ほかにも同じことをする子もいたのですが、なぜかルークが気になって、そのあと、チワワちゃん1匹とルークと外で遊ばせてもらいました。

2匹ともとても人懐こくて、外に出ると嬉しそうに走ったりいろんなところをくんくんしたり。本当にかわいかったです。
ただ、チワワちゃんを見ていると先代のワンコを思いだしてしまって、悲しくなってしまったのと、とにかくルークが愛らしくて。
駆け寄って来て顔をぺろぺろ、ずっと離れないんです。

ルークは保護犬団体に来てまだ2日目で、見に来る方も多かったのですが、おどおどしているだけでまったく反応せずで、スタッフの方も「この子大丈夫かな。引き取りてあるかな」と心配していたそうです。私たちと会ったのがちょうど2日経って施設や状況に慣れてきたころだったか、ドッグランではしゃぐ姿を見て、スタッフの方も「ちゃんと遊べる子だったんだ」と安心されたようです。このタイミングで出会えたことも後から考えるととてもタイミングが良かった!

しっかり見てほしいからと、結構長い間遊ばせてくれました。そのあと、スタッフの方との話の中で、今2,000匹のワンコが保護犬団体の保護を待っているそうです。順番に引き取っていて、1匹ワンコが引き取られると次のワンコが1匹この施設に来られるとのこと。その話を聞いていたら、今この子を引き取ったら2匹の子が幸せになるんだ、と思うと、もう引き取る方向にまっしぐら。
「この子を連れて帰ります」と口にしてました。

顔がなにやら不安げです…

保護犬引き取りの契約手続き

こうしてルークがうちに来てくれることが決まりました。
保護犬施設に来てから2日で引き取られるのはとても珍しく、多くの子は半年程度かかるそうです。
施設に慣れないうちに引き取りが決まったルークはとてもラッキーなようです。

そのあと、引き取りの手続きをするときもルークをずっと抱かせてくれていました。腕の中でずっとおとなしくしていて、とっても良い子でした。ドッグランで遊んでいるときにルークの持っている病気を確認していましたが、きちんとした健康診断書ももらえます。


ルークは片側のおタマが見えなくて、歯石がたっぷりとありました。この歯石あとで取るのですが、それがまた大変なことに…これは別の記事でお伝えします。

去勢もしていないので、引き取った後は去勢をする必要がある説明を受けます。ちなみに、誕生日がわからない保護犬も多いのですが、ルークは一般家庭からの飼育放棄で血統書があったので、誕生日がわかりました。血統書には飼育放棄した前の飼い主の名前が載っていて個人情報になるので、血統書はもらえないとのこと。マイクロチップもこの団体で装着したので、去勢やマイクロチップなど、ワンコを迎え入れるのに当たり前のことは何もしてもらっていなかったようです。


引き取りは、契約内容の説明があって、署名をして契約の締結を行います。その契約はクラウドサインでURLのやり取りはLINEでやり取りします。ほかにも費用のお支払い、保険の加入、ペットフードの購入などなどいろいろな手続きをします。
引き取り費用は、フィラリアやこれまでの検査代、寄付金、お迎えセットなどが含まれていて、総額18万円程度でした。

また、指定の保険として「いぬとねこの保険プラチナプラン」の1年の加入と、指定のドッグフードであるロイヤルカナンの定期購入半年契約が必須とされます。
保護犬は成犬も多く、引き取った後に病気などがわかると、また捨ててしまわれることを防ぐため保険は必須。フードはこの施設で与えているものなので、急にフードが変わることを防ぐためとのことです。

この引き取り金額については、帰ってからアニフェアの評判などを調べていると、賛否がありました。
保護犬は無料であるべき、などの意見もあるようですが、こういった施設があることで救われる命があることに当然対価があると思うので、この金額が高いとは思いませんでしたし、アニフェアさんの施設の大きさや清潔さを考えると、当然維持費や人件費もかかるだろうし、払って当然だと思います。しかし、前もって評判を見ていたら、いろいろ考えてしまって行くのを止めて、ルークに出会えなかったかも…。そう考えるとこれもほんとに縁だなと痛感します。

保護犬が元保護犬になる日

当日に引き取られる方も多いようですが、うちはなにせ、「行くだけだからね」前提で来て、なんの準備もなくだったので、後日引き取りすることにしました。5月2日に保護犬団体に向かい、5月8日に引き取りです。

翌朝起きるとさっそく主人がベランダで前のワンコが使っていたゲージをいそいそ掃除していて笑いました。すっかり孫が遊びに来るおじいちゃん状態です。時期はちょうど大型連休。毎日毎日、お迎えの日が楽しみでしょうがない生活が始まりました。


ごはんを入れるドッグボウルなどは基本的に前のワンコが使っていたものがあるのですが、ほかに何がいるだろう??おもちゃは何をそろえておこうか、など考え出すと、なにをするにもワンコが来てくれることがうれしくて仕方がなくなっていました。ワンコの力、恐るべしです。

ちなみに、ちょうど今住んでいるところが手狭で引っ越しを考えいて、何件か見ていたのですが、このタイミングで良い部屋も見つかったこともあって、マンションを購入しました。ワンコが走り回っている姿が想像できて、えい!と即決できました。ワンコのために引っ越しする感覚です。

そして、お迎えの前日にアニフェアさんから「お迎え前にシャンプーとカットして綺麗になってもらいましたよ~」とLINEが!
なんだかお顔がりんとしている!もう明日が待ち遠しくてしょうがない状態で眠りにつきました。

そして、待ちに待ったお迎え当日。大型連休の最終日とあって、渋滞が恐ろしく、ペットカートを引っ張り出して高尾駅まで電車で、そこからアニフェアまではレンタカーで向かいました。

再度スタッフの方から引き取った後の注意事項などを聞いて、お迎えセットをいただきます。
お迎えセットにはドッグフードのロイヤルカナンのロイヤルスキンヘア3キロが1袋、VEGGIEDENTわんかーむのおやつ、そしてノミ、ダニ駆除のフィプロスポットプラスドッグが入っていました。

そして、よくインスタなどにUPされている「里親決まりました」の写真撮影をして、アニフェアさんを後にします。スタッフの方が車まで見送ってくださって「仁くん(ルークの前の名前)をよろしくお願いします。仁くん、幸せになってね」とのお言葉に「必ず幸せにします!!」と声を大にしてお伝えし、お別れしました。


それからペットカートに入れて電車で1時間ほどかけて帰ったのですが、それはそれは大変で、電車で来たことを後悔することに…

保護犬は不安だらけなんだと痛感…

電車はペットカードに入れて、もちろん、顔出しなどはできません。
が、それがルークにとって不安でしょうがなかったようです。

また狭いところに閉じ込められて移動させらている!!また捨てられる!!と思ったのかもしれません。

あれだけ保護犬施設ではまったく吠えもせず、あばれもせず、おとなしかったのに、電車に乗ったとたん、ワンワンワンワンと吠えだして、暴れ始めました。

大丈夫だよ、大丈夫だよと声をかけて、しばらくすると落ち着くも、またしばらくすると暴れだして…を繰り返します。

それも30分もすれば落ち着いたのですが、電車の中では生きた心地がせず、そしてルークの辛さも感じて、家についたときには大人二人はぐったり。

今は電車に載せてもうんともすんともですっかり寝ているので、やはりこのお迎えの日はルークにとって「どこかまた知らないところに連れていかれる!!」という状況で、とっても怖かったんだと思います。
時間がかかっても車で行って、すぐに抱っこができる環境のお迎えのほうが良かったなと今となっては後悔後悔。

引き取りが遅い時間ですでに夜になっていたので、ひとまず家について、ごはんと水をゲージに入れて、その日はやっと就寝。

と思いきや、、、が始まります。

ルーク、夜中に逃亡を図る

ルークのゲージは囲みがあるだけで天井がないゲージに入れていました。すると、夜中にシュタっと音が聞こえて、何やら足音が…。
そう、ジャンプでゲージを飛び越えて、逃亡を図っていました。
そんなに小さなゲージではなく、軽く1mはあるのに…。
トイプーを飼うのは初めてですが、脚力をなめたらだめですね。

翌日100均で網を買って、天井代わりにゲージの上に置いておきました。

が、その日の夜もまたシュタッと音がして、逃亡成功。上に置くだけじゃダメかと、結束バンド4か所くらいに固定。これで大丈夫!と思いきや、また翌日もシュタッと逃亡成功。

・・・もう引田天功か!!どうやって飛び越えたんだ???と驚くレベル。

結束バンドを8か所にしたらようやく落ち着きました。

その後わかったのは、とにかく1匹でいるのが嫌なようで、私たちのところに来るために逃亡を繰り返したようですが、さすがに諦めたのか、4日目からはおとなしく寝てくれるようになりました。
ゲージの中ですやすや寝てくれる姿を見ると、感無量。。

ようやくルークとの平和な日々が始まりますが、まずは去勢しなくては!

まだまだいろんな対応事項があります。

散歩にトライ!

引き取ってから2日ほどたって、少し環境に慣れてきた感じなので、散歩ができるのか、トライしてみました。

保護犬センターのドッグランは嬉しそうに走っていたので大丈夫かな?と思いきや、まずリードを嫌がります。
これまでお散歩に連れて行ってもらったこと、ほとんどなかったんだろうな~。

初日はこんな感じで、まったくまっすぐ歩けず、すぐに退散。

ただ、順応性は高いのか、お散歩2日目にはまっすぐ歩けるようになりました。
ワンコも人間も大好きなようで、お散歩中に会う人、ワンコにすぐ駆け寄っていきます。
今ではすっかりお散歩大好きで、みんなから可愛いね~って言ってもらえるのがうれしいようです。

去勢手術前の検査でまさかのショックな出来事

続いては、去勢手術です。
近所の動物病院に3歳で一つタマタマがないことを伝えて、手術ができるか確認をして伺いました。
血液検査をして、レントゲンを撮って、タマタマは1つ皮下にあるのが確認できたので、無事に手術日が決まりました。

が、そこでまさかの出来事が!!!!

もともと、歯垢がすごいことになっていたので、去勢手術と同時に歯石をとってもらう予定だったのですが、思ったより歯石がすごすぎるので、去勢手術と同時には難しいかも。歯石のほうを優先して、まずは全身麻酔をして1日がかりで歯石を取って、去勢手術は別の日が良いかもとの診断。そして、おそらくその歯石を取ることで歯が抜けるでしょう、とのことでした。

口臭もすごくあって、まっ茶色の歯石だらけの歯でしたが、まさかそんな大変な事態とはびっくり。飼育放棄、本当にゆるすまじ、と改めて思います。

そして、2回も全身麻酔をして、痛い思いをさせるのが可愛そうでなるべく避けたい…。
どうしても一日で無理であれば、別の日に歯石を取ってもらうようにして、まずは1回でできるかトライしてほしいとお願いをして、去勢手術と歯石はどうにか同時でやっていただけました。

4本の歯を失う…

去勢当日は朝10時に病院に預けて17時にお迎えに来てくださいとのこと。いそいそ17時に迎えに行くと、無事に去勢は終えたとのこと。

ただ、やはりぐらぐらの歯が多く、どうにか歯石が抜けないように食い止めていたようで、歯石を取ったら4本歯が抜けました。

痛かっただろうに…と、かなりショックでした…。繰り返して言ってしまいますが「飼育放棄、本当に許すまじ!!!!!!」

引き取ってから、固いドライフードは食べづらそうにしていて、お湯でふやかしてフードをあげていたのですが、ぐらぐらの歯が取れて落ち着いて来たら、固いフードも食べられるようになって、おもちゃもぶんぶん振り回せるようになりました。

ワンコの歯磨きって大切ですね。。。今は毎日ブラッシングしています!!

これからは普通の生活を!

ひとまず去勢手術も歯石除去も終わったので、これで痛みさえ引けば、もうこれからは普通のワンコの生活ができます!引き取って1週間ほどたつと、おどおどしていた顔も随分と落ち着いてきました。

3年間、どんな生活をしていたのかわかりませんが、これからはその3年を取り返すべく、毎日が幸せだなと感じてもらえるように一緒に過ごしていくつもりです!

いろんなところにおでかけもしようね!

  • この記事を書いた人

Yumi

東京在住、元保護犬トイプードルのルークと夫婦2人で湾岸生活を楽しんでいます。

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